制度への誤解は教科書の影響も?
今朝の新聞で、懐かしい名前を目にした。それは、「ルロイ修道士」
彼は、中学校の国語の教科書に採用されている作品「握手」の登場人物ですが、作者(井上ひさし)の描写から、「教科書最強キャラ」なる2つ名も持っているようです。
正直、詳しい内容は忘れてしまいましたが、登場人物の名前を目にしただけで、「あっ、懐かしい」と思い出すほどですから、心の奥底にしっかりと残るような印象的なお話だったのかと思います。
ざっくり要約すると、「児童養護施設の子供達と園長のルロイ修道士のやりとりから、さまざまな心境の変化などを学ぶ」、といったところです(相当はしょりました。詳しい内容は、中3の教科書で📚️)
ここではっとしたのが、義務教育中に触れる読み物の中で、社会的養護に関する読み物が他にあったかな?と言う点です。
それも、知識獲得メインの教科(社会等)ではなく、内容や心情に対する考察を行うような科目(国語、道徳など)の中で。
。。。もともと勉強熱心でもなく、記憶力も人並み?の私には、すぐに思い当たるものがありません🤷♂️🤷
つまり私にとっては、義務教育中に「もし自分だったら」と自分事として考えたことのある社会的養護の世界は、「握手」に出てくる世界観だけなのです👀
それは、「困った子供が暮らすのは大規模な施設。そこで働く職員は宗教に関係があり、辛いことがあっても頑張れる常人離れしたタフガイで、普通の人間には務まらない。だから、紛争地かどこかにすんでいる特別恵まれない誰かの話で、戦争もない日本にはそんな子供はいなくて、そもそも自分達のような一般人とは関係ない世界の特別な人たちの話」というイメージ。どこかで聞いたことがあるような。。。
「社会的養護に対する理解が進まない、間違ったイメージを持たれている」といわれて久しいですが、制度への誤解の内容は、上のイメージと似通う部分も多いのではないでしょうか?
「握手」は印象に残る描写に優れ、それだけに考えることの多かったとても良い教材だと思います(作品には罪はない(笑))。
その一方で、みんなが触れる教科書が社会へ及ぼす影響は、意図しない分野への付随的なところも含めて、想像以上に大きいのではないかと感じた、日曜の朝でした。